銀木犀

オレンジ色で香りの強い金木犀が
いちどきに咲きそろうと
季節が変わったと
はっきりわかります

その濃厚な残り香の中
いつ咲き始めたのか気づかれにくい
白い花で香りの淡い銀木犀


ちょうど運動会の頃
万国旗のはためく校庭
倉庫の扉が大きく開いて
テントの準備が始まります

翌朝は早くからおむすびを結んで
卵焼き、タコさんウィンナー、
林檎のウサギ、早生みかん
麦茶に氷を入れて

夕方にはすっかり日焼けして
またテントをしまうのです


ひとつの行事が終わり
学校の近くの銀木犀が
静かに香っているのでした

金木犀の余韻と思っていたら
銀木犀の香りに移り替わって
季節はきれいに繋がってゆきます